クロード・シモンのインタビューを読む
先日、フランス人に、日本人はどうしてクロード・シモンに詳しいのか、いったい流行っているのかと、驚かれた。それはもちろん、平岡篤頼や芳川泰久といった日本の翻訳者たちの尽力によるところが大きいことは間違いない。『ガリバー』 […]
ポール・オースターの思い出
ポール・オースターが死んだみたいだけれど、その報せに心を動かされていない。こんなことを言ったら、熱心なファンには怒られるだろうけれど、自分がそれほど悲しんでいないことに驚いた。 彼との出会いは、多くのひとびとと同じよ […]
本物の読書家の本棚――リンダ・レ『キャリバンのコンプレックス』
読書家は誰だって、想像上の書物について思いを馳せたことがあるはずだ。子供の頃、まだ読んだこともないし、読むこともできない本の背表紙を前にして、未知の物語が込められた魔法の壺が並んでいるかのように考えていた。そうした思い […]
21世紀の『女の一生』――エドゥアール・ルイ『ある女の闘いと変身』
子どもの時、母親が学校での面談に参加しないように手を回していた。他人に自分の母親を知られるのがいやだった――そんな感情の想起から始まる小説だ。前回取り上げた同作者の『誰が僕の父を殺したか』は作家の父親について語ったもの […]
フランス文学に新たなスターが誕生した――エドゥアール・ルイ『誰が僕の父を殺したか』
文学界のグザヴィエ・ドランとでも言える新星がフランスに登場した。男性同性愛者を取り巻く社会状況を、スタイリッシュな文体で記す91年生まれのその作家の名は、エドゥアール・ルイという。 21歳で『エディーに別れを告げて』 […]
イザベル・ユペールのインタビューを読む
『レースを編む女』と『ヴィオレット・ノジエール』の上映にあたり、イザベル・ユペールの様々なインタビューを集めた。インタビューを集めるほど、ユペールという人物の聡明さにやられてしまう。どのインタビューも映画と同じくらい素 […]
「フランス映画と女たち」の字幕について
Twitterを見ていたら、ウディ・アレンの最新作がボロクソに言われていた。どうやら全編フランス語でスクリプトを書かれたのだが、そのフランス語がめちゃくちゃだったらしい。そんなめちゃくちゃなフランス語を演者たちが意味の […]
「フランス映画と女たち」の意図
「フランス映画と女たち」を企画して、フランスの配給との交渉、字幕翻訳、運営などのほとんどの作業をひとりでやってみた。もちろん、この企画には意図があって、来場者はそれを汲み取ってくれると思っていた。けれども、友人にちゃん […]