『美しく、黙りなさい』が全国公開されます!
昨年、「フランス映画と女たち PART3」において紹介した、デルフィーヌ・セリッグ監督『美しく、黙りなさい』が一般公開されることになりました。前回上映時には、限られた上映機会ではありましたが、上映後には多くの反響が寄せられ、この作品がいま改めて観られるべきものであることを強く実感していたため、大変うれしく思います。
1976年に制作された本作は、映画業界における女性の立場や、俳優として働く女性たちの声を記録した非常に重要な作品です。セリッグ自身が画面外から質問を投げかけ、各国の女優たちがその語りから映画界に内在する歪んだ権力構造を浮かび上がらせます。セリッグと女優たちの発言内容は現在の視点から見ても驚くほど鋭く、映画制作の現場での差別、ジェンダーの問題のみならず、社会に存在するあらゆる不均衡について、現代の私たちに再考を促します。
今回は、字幕を作成するにあたり、フランス語スクリプトを入手し確認したほか、パリのマルグリット・デュラン図書館にて、セリッグ本人のアーカイブ資料を確認し、翻訳しました。また、今回の翻訳にあたっては、配給のムヴィオラさんの校正により、映画愛好家のみならず、より多くの方にとってわかりやすい表現を使うことを心掛けました。昨年上映時より、大いに分かりやすくなったと思われます。
公開50周年を経て、ついに劇場公開というかたちで広く共有されます。ようやくこの作品が、そしてセリッグと同志たちのメッセージが日本の観客に届くことを、翻訳者・紹介者として大変うれしく思っています。ぜひ一人でも多くの方が、この作品と向き合い、言葉を紡がれることを願っております。
ムヴィオラさんの提供・配給により、2026年7月24日から Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下 ほか全国で一般公開です。詳細は、以下のサイトをご覧ください。
